【軍艦島から人がいなくなった理由】栄華を極めた都市はなぜ廃墟と化した

かつて日本の石炭産業を支えた小さな人工島,軍艦島。

ユニークな外観のこの島は、最盛期にはわずか0.063平方キロメートルの土地に約5300人が住む驚異的な人口密度を誇り、労働者とその家族が生活を営む「海上の都市」として繁栄。しかし、石炭資源の枯渇とともに廃墟と化し、現在では無人島となっています。

この記事では、軍艦島の簡単な歴史や人々が住んだ理由、最盛期の様子、住んでいた人数といった基本的な情報を詳しく解説。また、なぜ廃墟となったのか、その理由や退去した人たちのその後、そして軍艦島が世界遺産に選ばれた理由についても触れていきます。

さらに、「軍艦島にはいつまで行けるのか」という観点から、現在の観光状況や保存活動の課題についてもご紹介。この記事を読むことで、軍艦島が辿った歴史と、そこから得られる教訓について深く知ることができるでしょう。

本記事の内容

軍艦島から人がいなくなった理由を紐解く

軍艦島とは

軍艦島とは、長崎市の沖合約4.5キロメートルに位置する小さな人工島で、正式名称を「端島（はしま）」といいます。この島は、炭鉱の島として発展し、最盛期には日本で最も人口密度の高い場所として知られていました。

その姿が軍艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」と呼ばれるようになり、今ではその通称が広く知られるところに。

この島はかつて三菱財閥の所有下で石炭採掘が行われ、主に鉱員やその家族が生活。最盛期には5000人以上が約6.3ヘクタールの土地に密集し、学校や病院、映画館など生活に必要な施設を整えていました。

これにより、軍艦島は「海上の要塞」だけでなく、生活都市としての顔も持っていました。

現在では、1974年の炭鉱閉山と共に無人島となり、島内の建物は朽ち果てつつあります。しかし、かつての日本の産業発展を象徴する場所として、その歴史的価値が見直されています。

2015年には「明治日本の産業革命遺産」の一部として世界文化遺産に登録され、観光客が訪れる人気スポットに。

軍艦島は単なる廃墟ではなく、日本の産業化を支えた場所であり、その背景にある人々の生活や努力を思い起こさせる存在。

現在では、5つのツアー会社が上陸ツアーを運営しており、安全に配慮しつつ、歴史的な遺構を間近で体験することが可能です。